楽器とハイレゾ

最近の機材だと44.1khzとか48khz以外にも96khzも選べるようになっていたり、
巷でもハイレゾの音源(192kHz等)が整備されてきている。
しかし、人間には20khz以上の音は聞こえない。
ハイレゾって意味あるのでしょうか?

ハイレゾとは
CDの周波数は44.1kHzだが、この設定の根拠は
1.人間には20kHz以上は聞こえない
2.20Khzの音を再現するには2倍のサンプリングレートが必要
3.テレビの映像信号の倍数
という事で44.1kHzになっている。
要するに40kHz以上は記録しても意味がないという前提となる。
それでも40kHz以上を記録しよう!というのがハイレゾと言える。

エイリアシングの対策の対策
そんな”聞こえない音”を記録して何の意味が?
それは、エイリアンのように、有るはずの無い音が聞こえてしまう現象
“エイリアシング”の対策の対策として効果を発揮する。
エイリアシングはデジタルオーディオ機器を作っていると必ずぶち当たる問題なのだが、サンプリング周波数以上の信号を記録(デジタル化)しようとすると不愉快なノイズとして記録されてしまう現象。
百聞は一聴にしかず、以下を聞いてみるのが早い。

440 Hz 帯域制限あり
440 Hz 折り返し雑音あり
880 Hz 帯域制限あり
880 Hz 折り返し雑音あり
1760 Hz 帯域制限あり
1760 Hz 折り返し雑音あり


https://ja.wikipedia.org/wiki/折り返し雑音
機材を使う分にはこの様なエイリアシングで苦労することは無いだろうが、それは各機材が頑張って対策しているからである。その対策というのが帯域制限という、要するに20kHzくらいのLPF(ローパスフィルター)が入っているという事。という事はデジタル機器を通るたびにこの可聴域スレスレのフィルターが何回も掛かるわけなので、なんか嫌だなぁという感じがする。
実際シンバルなんかは結構音が変わってしまうだろう。
しかし、ハイレゾオーディオ(192khz)になると完全に聞こえない所でLPFがかかるので、シンバルなんかでもほぼ変わらずに処理を行う事ができる。
という事で、ハイレゾはエイリアシング対策の対策として効果大といえる。

オーバーサンプリングしなくて良くなる
オーバーサンプリングしてます!とよく機材に書いているが、コレは一体何をやっているのかというと、内部処理で一時的にハイレゾにしているという事。
大抵の場合、エイリアシング対策による音の劣化や変化を回避するのが目的となる。例えば歪ませる場合は特にエイリアシング対策が必要になってくる。なぜなら歪む事によって元々無かった更に上の周波数が増え、それがエイリアンになってしまうからである。そういう訳で、例えば歪み前後だけ周波数を引き上げてまた戻すなんて事をやる必要が何かとあったりする。
しかし、入りから出しまでハイレゾだと、こういう処理も影響を少なくする事ができヌケが良くなるというメリットもある。

ハイレゾ対応ヘッドフォンは意味がない?
エイリアシング対策の対策という視点では多大な効果が見込めるハイレゾではあるが、人間である以上どう頑張っても20khz以上は聞こえない。
つまりハイレゾの音域が再生できても意味がない。
と個人的に思っているのだが、それとも副次的な効果があるのだろうか。

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