Electribe3 はこうなる?予想
Electribe2は2014年に発売されてから、2016年にカラバリが出たのみで、6年間、2020年今日まで現行製品である。
MX(2010)から無印までは4年間であったことを考えると、そろそろ新型のElectribe3が出てくる頃であろう。
3は当分出ない、という可能性
いきなり前提をひっくり返すが、これは十分あり得る。理由は2つ。
1つ目はVolcaシリーズの存在。今はVolcaシリーズがある訳で、こちらで十分シェアが取れている。という考え方ができてしまう。偉い人的には、VolcaとElectribeのお客は同じなわけだから、両方は買ってくれないんじゃないのか?という心配をするだろう。また、Volcaのほうが利益率が高く、近年の実績も強く、確実に売れるわけなのでこちらを優先したくなるものだ。KORG全社的にはダンスミュージック・ガジェットの売上は大きくないのだから
2つ目は、Electribe2があまりにも安くなってしまった事。
Korgの製品は減価償却すると値下げするので、古い製品がめちゃくちゃ安くなる。Electribeの現在の新品価格が24300円である。新品ですよ!もはや値上げしたVolcaシリーズとあまり変わらない価格である。操作性や音はともかく、スペック的に何も不満がない訳なので、これを超えるコスパ機を新たに作ることは不可能だ。
ということで、3は作らず部品変更を続けながら10年くらい延命する、というシナリオも考えられる。
また、今更Electribe2を買う人は少なく、現状ほとんど売上に貢献していなと思われるので、電子部品の製造終了に伴いElectribeシリーズは退役、という事もあるかもしれない。
それでも3は出る?
それでも、もしKORG社内にグルボを作りたいという気概がある人がいた場合、3が出る可能性は十分にある。コスパが下がろうが、新製品というのはとりあえず売れるものだし、今はグルーブボックス・ルネッサンス時代という事もあり、十二分に商売にはなるだろう。何より今現在2は利益になっていないと思われる。
出るとしたらどんなもの?
もし3が出るとしたら?どのような物になるだろうか。
課題や情勢から考察してみる。
開発工数の問題
グルーブボックスにおける最も大きな課題は開発工数である。
グルーブボックスはワークステーションと同等の開発工数が必要なクセに、市場が小さく、相場も安い(お客さんがあまり金を出してくれない)。現在Volcaに注力しているのは、小さい工数で(20人月くらい?)で新製品を連発できるものに注力している、という事だろう。もし4,50人月もかけるようなら、偉い人はVolcaの新しいの2つやってよ、と言うに違いない。
ということで、Electrib3はVolca並の工数で作る必要がある。
正統派Electribe3
まともにやれば20人月でグルボの開発なんぞ不可能だが、KORGはワークステーションも開発しているので、流用すれば30人月くらいでなんとかグルボも作れるのではないだろうか。KROSSあたりをベース機種にして、3~5万程度。
この線は濃厚だろう。
Electribe Mini
新しいElectribeを出すのに、electribe2をディスコンにしなくても良い訳で、新しいランアップを出す可能性も考えられる。その一つが、Kaossilator2ベースの Electribeだ。
Kaossilator2のパッドを鍵盤にして、ルーパーをなんとか4本に増やせば激安OP-1になるのではないだろうか。
2万円行かないくらいの小さくて、手軽なグルボ。
高額Electribe
Electribe2との共存路線。KRONOSベースでAkaiForceみたいな何か(20万円)を出してくる・・かもしれないが、KORGが手を出していない高級グルーブガジェットとなるので、リスキーとして手を出さないと思われる。
WaveStateベースの Electribe
RadsberyPiを使用したElectribe。6~8万円程度。WaveStateをベースにしているものの、複数パート鳴らさないといけないので、WaveTableシンセではないと思う。しかし、こちらもそこそこ高級なグルボになってしまうため、ちょっと怪しい。ラズパイを使う以上安くはならないのだ。もしこの案の場合は、価格帯的にElektronを意識したディスプレイ型グルボになるかもしれない。
Electribe2のUI変更版
端的には新製品であればよい訳なので、新規開発する必要はない。
2016年に色を変えたのも、新製品効果を狙ったものだと思われる(あまりにも売れなかったのか?)しかし、今回は色だけでなくケースとUIを変えるというわけだ。
市場的には、シーケンサのUIが使いにくい(MXと違う)というのが一番の不満であろうから、ウワモノだけ変えて音源そのままでElectribe3と言っても受け入れてくれるのではないだろうか。問題は古い部品をそのまま使うことになるので、いつディスコンになるのかヒヤヒヤものである。奇跡的にほとんどの部品が現役でない限り、この線は薄い。
Volca型グルボ
VolcaSample2がほとんどグルボなので、サンプラー型はちょっと考えにくいが、
Monotribe的なVolcaTribeみたいなのも出そうではある。これはこれで欲しいけど、Electribeとはちょっと言い難い。VolcaSample2で音質を劇的に向上させ、64パターンくらい使えるようにしてもらっていれば、それで満足だったのだが・・
結論 でるの?でないの?
色々と予想を書いてみたが、なんだかんだ今までの路線のElectribeはちと厳しい気がする。
主な理由はElectribe2がコスパ良すぎな事と、2は恐らく思ったほど売れなかったことである(時期が悪く目標達成に時間がかかったと思われる。突然のカラバリは、過剰在庫部品を吐きたかったのではないだろうか)。基本経営層はやりたがらないだろうから、KORG社内でelectribeやりたがりが出現しない限り、3は実現しないだろう。ということで、私はElectribe Miniに期待することにする。
正統派3はどのような仕様になる?
もし3が出るとすれば既存製品を改造したものになると思われるので、音源は2と似て、ちょっとイマイチなPCMっぽい感じにはなってしまうだろう。ただ、ここは見た目には影響しないので、見た目を考えてみる。
近年ではElektronやMCシリーズのようにディスプレイ+連動するつまみという方式が主流だが、ここはやはりElektribeの伝統に従い、シンセのつまみ一式は出すだろうし、プリセットは積まないんじゃないだろうか。(プリセットも工数がかかる)シーケンサも流用なので、クリップ式ではなくパターン方式だろう。(ここも工数)また、ボタンの配置は2x8ではなく1x16に戻すと思われる。見た目に新製品感が出るし、Volcaでの成功体験もあるからだ。液晶はMinilogueXDの物をつけて、波形表示するだろう。サイズ感と薄さは今と同じくらいで、ざっくりいうと画面大きめで、一回り大きいModel:Cyclesみたいなものになるのじゃないかと思われる。
最終的に良い製品になるかは仕様でなく実装に寄ってしまうので分からないが、操作性が改善された2みたいな感じの無難な製品になるのではないだろうか。
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